うーたんは、生まれつき左耳が小さい「小耳症」です。
子どもが集団生活に入るとき、親としていちばん悩んだのが「これ、どう伝えたらいいんだろう?」でした。先生に? お友だちに? どこまで? いつ? 正解なんてないし、毎回ドキドキします。
でも、何年か向き合ってきて、わたしなりに大事にしていることが見えてきました。同じように悩んでいる方に、少しでも届けばうれしいです。
入園・入学前は、「まとめた資料」で伝えました
入園前は親子広場に通いながら、入学前は入学前健診のときに、先生方へ伝えました。
このとき意識したのが、口頭だけじゃなく「まとめた資料」を用意すること。人前で話すのが得意じゃなくて、緊張してうまく伝えられる自信がなかったので…見てもらえば状況が伝わるように、事前に紙にまとめて、話す内容も考えてから臨みました。
- 伝えたのは、たとえばこんなことです。
- 生まれつき左耳が小さいこと
- 音の方向が分かりにくいこと
- 耳が小さく、マスクが普通につけられないこと
- 顎の低形成があり、かみ合わせの関係で食べるのが少しゆっくりなこと
そして「耳を見られるのが嫌」という、うーたん本人の気持ち。
ここで大事にしたのが、「事実」と「本人の気持ち」を分けて伝えることでした。「こういう特徴があります(事実)」と「本人はこう感じています(気持ち)」を別々に伝えると、先生もどう配慮すればいいかを考えやすいのかも!?と思いました。
先生たちの受け止めに、救われました
正直、「分かってもらえるかな」と不安でいっぱいでした。
でも先生方は、うなずきながら親身に聞いてくださって。しかも担任ひとりじゃなく、3人の先生で話を聞いてくださったんです。
さらに、こちらが心配していた以上の配慮を、「こうします」ではなく「どうでしょう?」という提案の形で示してくださって。強制じゃない、その距離感が本当にありがたかったです。モヤっとしたことは、当時をふり返っても一つもありませんでした。
毎年伝え直す。そのたびに「今の気持ち」を共有します
進級や入学で先生が変わるたび、基本は先生同士で引き継いでくださいますが、わたしからも一通り、あらためて説明するようにしています。
伝えるのは、体のことだけじゃありません。本人も親も、気持ちは変化するから。「今は、こんな気持ちでいます」と、そのつど共有するようにしています。
たとえばうちは、手術を検討する前に、まずエピテーゼの見学を考えていること。それを本人がどう感じているか。特に、お友だちとの関係や先生との信頼関係を気にしながら、相談させてもらうことが多いです。
お友だちのこと…今は、のびのび過ごせています
ありがたいことに、お友達間の大きなトラブルは今のところなく過ごせています。
普段は髪で小さいほうの耳が隠れて見えないし、帽子も本人が耳を出すのを嫌がるので、給食帽も水泳帽も、耳まですっぽりかぶるスタイル。仲のいいお友だちには、本人から「生まれつき、こっちの耳が小さいんだ!」と直接伝えているみたいです。わたしはとても頼もしい。
過去に一度だけ、学童で「顔の形が変」と言われたことがありました。
そのときは本人も気にして落ち込んでいて。でも今は、写真を撮るときなど、左右差が目立たないように本人なりに工夫しているんです。子どもって、ちゃんと自分で折り合いをつけていくんだなと思いました。
今は、なんでも話せるお友だちが数人。シール交換をしたり、学校近くの駄菓子屋さんに行ったり。保育園時代からの友だちとは小学校が別になってしまいましたが、今でも月に1度くらい、おうちを行き来して遊んでいます。相手の親御さんが忙しい中つき合いを続けてくださっているおかげです。学校の子たちも、からかったり意地悪する子がいなくて、まっすぐな子が多くて。そのおかげで、うーたんものびのび過ごせています。
親として大事にしていること:気持ちに寄り添い、選ぶのは本人
向き合ってきて、たどりついた自分なりのスタンスがあります。
気持ちには、親がとことん寄り添う。でも、実際にどうするかは、できるだけ本人に決めさせる。
学童で「顔の形が変」と言われたときも、わたしがしたのは
「言い返しなさい」でも「気にしないで」でもなくて。
「言われて、どう思った?」「嫌だったこと伝えたい?」と聞くことでした。
うーたんは言い返すことを望んでいなくて、距離を置ける環境だったので、距離を置いてスルーするを自分で選びました。
学校生活でも、
①本人ができること
②周りの協力がないとできないこと
③「ここまではいいけど、ここからは嫌」
という線引き。
これを本人とよく話すことを大事にしています。
「待つこと」は、子育ての真髄かもしれない
最近、てぃ先生(保育士・子育てアドバイザー)の考え方にすごく共感しています。

「自由にさせてあげることと放任は、別物」
「待つことって、子育てにおける真髄」
放っておくんじゃなくて、環境はちゃんと整える。そのうえで、信じて待つ。そして、失敗も悪いことじゃない。失敗も含めて見守れる『余裕』が、きっと大事なんですよね。(わたしもまだまだ練習中ですが。笑)
※参考:てぃ先生×KIDSNA 対談「てぃ先生も実践する、子どものやる気を引き出すテクニック!」【[kidsna.com](https://kidsna.com/magazine/article/education-upbringing-210811-00012548)】
「500円」と言われた日のこと
ひとつだけ、今でも忘れられない言葉があります。
うーたんを産んだあと、ある方に相談したときのこと。
「みんなが1000円で、この子が500円だとしても、500円なら500円なりの幸せも、楽しみもあるよ」
そう言われました。
きっと、励ますつもりだったのだと思います。
悪気はなかったはずです。
でも、わたしはどうしてもそうは思えませんでした。
この子は、500円なんかじゃない。
みんなが1000円なら、うーたんは10000円。
いや!そもそも金額で例えないでほしい。
そう、強く思いました。
親バカかもしれません。
でも、わが子の価値を勝手に低く見積もられたように感じてしまい、
どうしても違うと感じました。この気持ちは今も変わりません。
だからこそ、わたしは「かわいそう」の枠で、うーたんを見てほしくない。
最後に
小耳症の子育てというと、「大変だね」「かわいそう」と、もしかしたら感じるかもしれません。
でも、わたしが大事にしたいのは、
「一人の人として、選べるように。」
親にできるのは、気持ちに寄り添って、環境を整えて、あとは信じて見守ること。
それくらいなのかもしれません。
不安だらけのスタートでした。でも、支えてくださる先生方や、まっすぐなお友だち、同じ境遇の親御さんとの出会いに、何度も救われてきました。うーたんがいなかったら、出会えなかった人たちです。
今、同じように「どう伝えよう」と悩んでいる方へ。大丈夫。ひとつずつ伝えていけば、ちゃんと届きます。
雨のち晴れメモ
このブログでは、小耳症の子どもを育てる母としての体験をもとに、
- 小耳症の基礎情報
- 実際の子育ての様子
- 手術や治療について調べたこと
- 学校生活や日常のこと
などを、できるだけわかりやすくまとめています。
個人で運営しているブログのため、もし情報に誤りや不足がありましたら、コメントなどで教えていただけると嬉しいです。
また、
- 小耳症について知りたいこと
- 調べてもよく分からなかったこと
- 忙しくて情報収集ができないこと
などがあれば、ぜひ教えてください。
私なりに調べて、このブログで丁寧にまとめていきたいと思っています。
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小耳症の赤ちゃんを育てるあなたにとって、
少しでも安心できる「雨宿り」の場所になっていたら嬉しいです。
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